For being eligible to apply, do I have to be a university student?
どういった人が入居できますか?
大学、大学院や専門学校などの高等教育プログラムに在籍している方であればどなたでもご応募頂けます。
みなさん、こんにちは。
現在、U Share事業を企画しているKDH(KUROFUNE Design Holdings)の
チーフアーキテクト・加藤聖也です。
今回は、KDH参画までの経験がU Shareの場づくり・ひとづくりにどのように生かされ、生かしていこうとしているのかシェアしたいと思います。
自分をつくってきたものは何だろう?それは「あそび」でした。ただ、ここでいう「あそび」とは遊戯の域を超えた「これだけのことをしなければならないという枠をはみ出すこと」と解釈します。現代教育においても、社会人の場合も、所属する組織のMottoを心の内に掲げ、それに則って行動することも大切ですが、その組織の中で全員が同じことをやっているだけではアイデンティティの希薄化につながると思います。
では、何が自分(アイデンティティ)を形成するのでしょうか?振り返ってみると、袖振り合うも他生の縁と言うように、部活、サークル、アルバイト、産学連携、OJT(On the Job Training)、Off the Job(仕事で学ぶことも大変多いですが)、飲み屋、旅行等…学校や組織という枠組みを超えて出会ってきたたくさんの人々のつながり、与えられた枠をはみ出して得てきた経験が自分をつくってきたと言っても過言ではありません。「あそび」のすゝめ。出てどこへ行くのか、何のために出るのか、どうやったら出られるのかを考え始めるきっかけにしていただけたらと思います。
今まで様々なプロジェクトに携わる機会をいただきました。前職の世界最大級の組織設計事務所では、学校、オフィスビル、スポーツ施設、商業施設、複合施設、墓地等、出向していた鉄道会社資本の組織設計事務所では、高架下駅舎、橋上化駅舎、事業所内保育所、ペデストリアンデッキ、既存駅調査等。面白かったのは、同じ組織設計事務所でも世界が全く異なるという点でした。
高架下駅舎のプロジェクトを例にすると、3駅の区間(約5km)について20年後の駅のありかたを考え・設計するというものでした。駅の使われ方、駅とまちとの関係、高架下開発に求められる機能等、20年後は当然今とは異なります。「設計要件を改善する提案」の裁量がとても大きく大変ワクワクしましたが、同時にカイジの「ざわざわ」が大きくなってくる感じもありました。笑
建築業界に入ってから不動産業者や開発の人と協働する際に、「数値的な根拠をもって議論できない」「こうやったら楽しくなるだろう。でも具体的な集客効果・利益を算出できない」というもどかしさがありました。設計要件を決定する計画の初期段階からデザインすることができれば、もっと面白くできるなと思っていました。
気づくとKDHでU Share事業に携わっていました。「不動産からデザインする」という領域の横断をしたいと思ったことがきっかけです。設計者でありながらクライアントになることで、より合理的かつ創造的な提案が可能になります。
専門化が進み、社会の縦割りが進んでいる現在、分断を統合していくのではなく、専門を持ちつつも領域を横断して物事を進めていくことができる技能が重要になります。そういった領域を横断していける知識をつけた人を育てていくことがU Shareの目標の1つでもあります。そのためには「住みながら学べる空間」「そこに住まう人との時間や経験」等、学校と暮らしの中間領域の学びの場を充実させていくことが重要です。実体験として学んだ「学校等の様々な人々が触れ合い、共に生活する場等の設計経験」を「夢をシェアする機会を日常的に生み出す環境のデザイン(=場づくり)の創造」に生かしていきたいと思います。設計者の職能は人とネットワークをつくることといっても過言ではありません。多様な人々や価値観に触れ、それを生かしていく、そういった知見もU Shareの「人づくり」に生かしていきたいと思います。
最後に、人生に最大の幸福をもたらすものは何でしょうか?ハーバード大学のRobert Waldinger教授たちの80年間で724人を追跡調査した研究結果は、「私達を健康に幸福にするのは、良い人間関係に尽きる」というものでした。サン・テグジュペリが「計画のない目標は、ただの願い事に過ぎない」と言っていましたが、将来、人と人、そして人とまちの有機的な交流や繋がりを促す場所がU Shareとなること、U Shareの人々のつながりが幸福へつながることを目標に据えて、好きな建築という分野を通して世の中のため、微力ながら力を尽くしていこうと思います。
“Living together, growing together.”
「共に住まい、共に学び、共に成長する。」