Why U Share?

創業者の上田と井上が出会い、U Shareへの想いを語り合ったハーバード大学デザイン大学院にて。

シェアすることで自己実現を最大限加速する空間をデザインしきる。空間のデザインを超え、住まう人の成長や経験をデザインすることにこだわるU Share。U Shareへの想いを創業者の上田と井上、大江が語り合いました。(インタビュアー:国本理央奈)


Q. ずばり、U Shareとはどのような場所なのか?

どんな仲間と、どう住まうか?

上田:私たちは「どんな仲間と、どう住まうか」が非常に重要であると考えています。私たちU Share創業メンバーは米国や英国への留学、ドミトリーでの生活体験があります。世界中から集まるグローバル・タレントとの共同生活では英語という共通言語と、各々の個性を活かした刺激あふれる時間と場を共有でき、自身の成長を想像もつかないレベルへと持っていくことができました。

Shareすることで互いに成長できる、そんな世界を創っていきたい

井上:そんな自身の原体験から、私たちは、「全てはshareすることから始まる」と考えるようになりました。例えば周囲に馬鹿にされるような夢や悩みでも、周りには必ず理解し、サポートしてくれる仲間がいるはずです。住まいや時間のshareを通じてお互いを理解し、刺激を与え合い、学び合い、ともに人として成長していく。そんなshareの正の連鎖が日常的に起きるような場所、世界を創っていきたいと考えています。

夢が生まれる場所でありたい

上田:もう一つは、U Shareを様々な夢が生まれるエンジンにして行きたいという思いです。FacebookやMicrosoftの創業者をはじめ、社会をリードする人物が夢を語り、仲間を見つけ、世にその素晴らしいアイデアを広めるきっかけとなったのはハーバード大学の「学生寮」でした。

井上:上田と私も連日連夜、時には上田のファミリー・ハウジングのラウンジで、時には私の寮のコモンルームで語り合い、トライ&エラーを繰り返しながら、U Shareの構想を練り上げていきました。 社会を大きく変える可能性のある活動やビジネスプランを創造するという体験。そういったことが日常的に起こるための中心にあるもの、それはやはり人と人をつなぐ「場」であり、自らが能動的にシェアしていく姿勢なのだと考えています。

大江:ビジネススクールでは寮のラウンジは交流の場の中心となっています。グループワークだけでなく、同級生のバンドが音楽を演奏したり、日本食を振舞うイベントを開催したり。留学での最大の学びは実は教室の外で起こります。寮の共用空間は留学の意義を最も加速させていると感じていました。


Q. 教育サービスやキャリア支援サービスがついた住居とは珍しいですね。

英語は習うより、住め

上田:U Shareに住めば、日常生活を通じて言語の壁を突破していくことができます。日本のみで暮らす分には英語なくして生きていけます。しかし、自分の可能性を無限大に世界に求めてゆきたい日本人にとっては、Language Barrier (言語の壁)は乗り越えるべき第一の壁です。私たちが提供したいのは、英語でのディスカッション能力、プロジェクト推進力、そして人脈形成力です。この能力が付けば、米国トップスクールへの留学、世界級キャリア形成等、様々な挑戦が可能になることでしょう。そして生涯にわたって自分の可能性を最大限に世界に求めてゆくことができます。ぜひ、私達といっしょに、”Language is just a Language”と言えるほどになるまで、住まいながら、成長していきましょう。

世界には多様な働き方があることを伝えたい

井上:教育、言語サービスの他にU Shareではキャリア支援サービスも提供予定です。メンバー同士の自然発生的な交流に加えて、様々なキャリアを経験してきたスタッフがメンバーの皆さん一人一人の思い、悩みに寄り添い、最適なキャリア形成を一緒に模索して行ければと考えています。

個人の話になってしまいますが、私は投資銀行でキャリアをスタートし、デザインの世界に飛び込み、アメリカ現地で就職し、起業もしました。ともすれば昨日の正解が今日の不正解になってしまう今の時代、「世界は広く、そこには多様な働き方があるのだ」ということを知って頂くきっかけを提供できればと考えています。

Right Person, Right Informationに直結

上田:これは教育・言語サービス、キャリア支援のどちらにも通じることですが、Right Person、Right Informationへのアクセスは非常に重要だと考えています。

私は留学準備では正しい勉強方法を見出すこと、そして的確な留学経験者に繋がることに膨大な時間を要しました。この経験から、U Shareでは各々にあった留学先や学部、プログラムの紹介や奨学金の獲得方法のコーチングはもちろんのこと、アプライのためのスコアメイキングやエッセイ作成、インタビュー対策などのコーチングも行います。つまりRight Informationですね。それから、実際に現在トップスクールの自身が行きたい学科に通っている人材へのヒアリングもできます。私がフルブライト奨学金に挑戦した際は経験者探しに苦労したのですが、U Shareでは瞬時にRight Personに直結です。

大江:その通りですね。MBA受験も基本は情報戦です。大企業の社費で行かれる方などはそのノウハウが脈々と受け継がれていたりするのですが、そうでないとなかなか正しい情報にたどり着けません。また、一緒に受験を頑張る仲間の質も非常に大事です。留学の受験はフルマラソン並みの持久戦なため、お互いの士気を高あう良き仲間がいることで、プロセスを楽しみながら最後まで走りきることできます。

もはや住むというよりは、自己実現のためのSpace as a Serviceですね

上田:その通りです。住処を変えること、付き合う人を変えること、時間の使い方を変えることが自己実現につながるという大前研一さんの金言もあるとおり、私や井上自身もハーバード大学の学生寮や家族寮に住むことで人生の幅が格段に広がり、自身の研鑽もできました。そういう経験をした方は多いと思います。是非U Shareに入居されるメンバーにも体感してもらいたいと思っています。家賃を払ってもらう従来の不動産大家ではなく、自己実現のためのナレッジや機会獲得、留学準備や国際級キャリア形成なども一貫して行える場なので、ある意味では自己投資額を月割りにしているような感じでしょうか。

リアルな場を補完する、オンライン・リソース・プラットフォーム”U Plat(構想中)”

井上:実は、U Shareではもう一つユニークな仕掛けを考えています。それは、メンバーだけがアクセスできるオンライン・リソース・プラットフォームです。このプラットフォーム上では、例えば海外大学留学を検討している人が経験者を見つけ相談を受けることができたり、必要に応じた教育コンテンツ等にアクセスしたり、似たような夢や興味を持った人を見つけることが可能になります。

共に住み、共に学ぶことのできるリアルな環境。そして個人の成長を加速させるオンライン・プラットフォーム “U Plat”。うっかりしていたらオンラインが生きる世界だと錯覚しそうなこの時代、リアルな場所をU Shareの根幹としつつも、バーチャルの良さを存分に生かし、メンバーの皆さんに国際級の「教育」「キャリア形成」「ネットワークづくり」へのきっかけを提供出来ればと考えています。


Q. デザイン面でのこだわりは?

徹底して交流と自己成長を促す環境デザイン

井上:U Shareではプライベート(Individual)空間とパブリック(Shared)空間の最適な棲み分けを目指しています。個人のスペースをきちんと確保しつつ、ほどよいshare、自己研鑽、切磋琢磨が生まれるような環境デザイン、導線設計をしています。様々なタイプのShared空間があるので、メンバーの皆さんの用途、時間帯等に応じて多様な使い方をして頂けることもU Shareの特徴の一つです。

尚、私はキャンパスプランニングの本場である米国現地でキャンパスや学生寮の開発にも関わっていましたが、「学生たちの人生や学びを豊かにするためにどのような学習環境、生活環境を整えるか」という問いが常にデザインの中心にありました。

例えば、欧米の大学では敷地内(オンサイト)に学生寮があるのが当然で、少なくとも学部生は寮に一緒に住むことが決められています。加えて、日常生活の中で交流が自然と生まれるよう、人の出入りの多い1階にはコモンルーム等の共用部を配置したり、広いキッチンスペースを設けたり、あえて廊下を狭くしたりと意図的な「デザイン」が随所に散りばめられています。

井上が住んでいた10 Akron Street。チャールズ川を望む共用キッチンスペースで友人たちと週末のブランチ

ライフロングなコミュニティ形成を可能にする空間の力

上田:空間はライフロングなコミュニティ形成を可能にする魔力のようなものを秘めていると思います。私自身、Harvardに留学していた際、 Perkins Hallという単身者用のドミトリーと、Peabody Terraceというファミリー・ハウジングの両方に住んだ経験があるのですが、それぞれに濃密な住人との時間、活気あふれるアクティビティを共にしました。

24時間入れるディスカッションルームでのグループワークを通じた勉強、共用キッチンでは寿司の握り方を教え合うパーティや文化交流イベント、テック系のリーディングカンパニーでも流行っている卓球トーナメントなど、息抜きと自己研鑽、交流のバランスが取れたアクティビティばかりでした。ファミリー・ハウジングには保育園やキッズルームが併設されており、子どもを通じて様々な国から来た多様な家族との交流があり、帰国した今でも彼らとの交流は続いています。

上田が住んでいたハーバードデザイン大学院近くのPerkins Hall、200年以上の歴史を重ねながらも様々な共用スペースがある
多国籍の人々が参加し、様々な交流が生まれた寿司パーティ

井上:私もエディンバラ大学、ハーバード大学デザイン大学院に在籍していた際には、大学の学生寮に住んでいました。これらの寮にはコモンルームやライブラリーはもちろんのこと、大学が運営する食堂やパブまで併設されていて、まさに「寝食を共にする」という生活環境の中で友人との友好を深めていったものです。当時仲良くしていた友人とは今でも連絡を取り合っていて、同じ「空間」と「時間」を過ごす機会がなければこうはなっていなかったと感じています。まさに「場」、そして「デザイン」の力なのだと思います。

上田:その他、実は素材にもこだわっています。ハーバードの施設群で実際に使われているレンガ(ケンブリッジ・ブリック)をU Share全施設に使用する予定です。ハーバードやMITがあるケンブリッジの街の雰囲気もこの独特な煉瓦が醸し出しています。とても密実で風合いがあり、何百年も耐える素晴らしい質のレンガです。これを初めて日本に輸入します。

U Shareのディテールを形成するレンガ

U Shareとまちの有機的な繋がりを

井上:U Shareはまちに開かれ、人と人の有機的な繋がりを生み出し、地域を活性化する拠点としても機能します。日々の暮らしに加え、毎月開かれる様々なイベントでは、世代や国籍、所属や利害等を超えた交流が生まれるはずです。U Shareの国際色豊かな、かつエネルギッシュな住人が増えれば、まちの雰囲気も変わってくることでしょう。小さな町中華の大将が、すっかり餃子を気に入って常連になってくれたアメリカからの留学生と話そうと必死になって英語で説明する。国際色豊かなメンバーが地域と一緒になってまちなかで各国のフードフェスティバルをする。考えるだけでわくわくしますが、そんな人と人、そして人とまちの有機的な交流や繋がりを促す場所がU Shareなのです。

都市計画・デザイン用語では、このような影響の起点となるものをNode (結節点)と呼ぶのですが、U Shareはまさにそのような場所です。そしてU Shareの挑戦はそんなNodeを一つ創るだけに留まりません。その効果を最大限にするべく、ある程度の圏内に一つ、また一つとNodeを増やしていきます。点と点が繋がり線となる。そしてその線が繋がっていつしか面となるように、U Shareから生まれる人々や人と都市との関わりも有機的なものであって欲しいと考えています。


Q. なぜ今、日本で、U Shareなのか?

世界に遅れをとる、日本の”住まい”と”学び”の一体デザイン

井上:英国や米国での生活を通じて私が感じたのは、日本には共に住まい、学び、刺激し合えるような場所が圧倒的に少ないということです。例えば日本で大学と言えば、学びのために通う場所というイメージが強いですが、英米では「共に住む」ことも大学生活の大きな要素の一つです。最近日本でも全寮制の大学や学部等が出てきていますが、その整備状況及び内容は世界に比べればまだまだ遅れている状況です。

真の国際化を一気に進める

上田:インバウンドでの短期的な国際化や短期滞在ではなく、住まいを通して日本に定着する高度外国人人材を増やすとともに、海外に出て自己のアップデートをすることを当然と思える日本人を増やすことこそ、真の日本の国際化を促進することに繋がると思い、活動しています。

大江:真の国際化には英語が話せるというような表面的なスキルだけでなく、出自や文化が全く異なる人々と心から繋がる能力が必要になると思います。言語はツールでしかない。寝食を共にして、お互いの考え方の違いをとことん突き詰めて理解しあう。そういう経験ができる場所を作っていきたいです。

真のグローバルリーダーとは多様性を理解、尊重することのできる人材

井上:上田と大江の言うように、これからの日本は大きな転換点を迎えます。人口が大幅に減少していく中、移民もますます増えてくるでしょう。アメリカやイギリスと違って民族の均質性が高く、内外や公私の峻別が激しい日本は多様性のinclusionには相当苦労するはずです。だからこそ、これからの日本社会にはそういった民族、人種、文明の多様性の結び目たるプレーヤーの存在が不可欠だと感じています。

多様な人々、価値観に触れる機会が日常にある環境は、人々の思考や人間性をより柔軟にしてくれるのみならず、知的好奇心をも刺激してくれます。世界的視座を持ち、多様性を尊重し、社会問題の解決に取り組んでいく。U Shareは、そんな真のグローバル人材が巣立っていける場所であって欲しいと願っています。

今後の展望を教えてください。

上田:2021年末までにU Share 3件が東京にできる予定です。西早稲田エリアでは留学生ニーズに合わせて2件のU Share for Student、南青山では若手プロフェッショナルやファミリーからのニーズに合わせ1件のU Share for Professional & Familyをオープン予定です。この3年ほどのうちに、早稲田エリアに加えて慶応三田エリア、東大白山エリア、米国ボストンなどで拠点を立ち上げ、合計約9件をオープン予定です。また関西や政令指定都市での拠点を立ち上げ、国内外で総計24拠点を5年を目処にオープン予定です。ゆくゆくはアジア、ヨーロッパ、米国を中心とする世界的なU Shareネットワークを築く予定です。デンマークのU Shareメンバーが夏季インターンでU Share京都を利用しながら日本庭園とランドスケープの実務を学ぶ、などの広がりと可能性が生まれることになりますね。 (2021年5月末時点)

U Share 卒業生の強力なネットワークが世界規模の課題を解決

上田:ややもすると分断されゆく時代になりかねない岐路に差し掛かっている世界の情勢ですが、U Shareから巣立っていったメンバー同士の一生涯続く強力な世界中のネットワークが、こういった状況を打開してくれると信じています。政治的な対立や、格差、貧困、そして環境問題など地球規模での課題をU Shareの申し子たちが、ありとあらゆるバリアや境界を越えて、一致団結し、解決してくれる日を夢見ています。

井上:人々の記憶に残るのは、いつの時代も物語。是非、U Shareという「空間」で多種多様なメンバーと密な「時間」をshareして頂ければと思っています。そして、色んなことをshareしていく中で、生涯の友、仲間や夢を見つけ、たくさんの物語を紡いでいって欲しいと思っています。勇気を持って一歩踏み出してみると、そこには新しい世界が待っているはずです。たった一度しか無い人生、私たちと一緒に濃密なものにしてみませんか?

大江:留学をした経験を通して、自分の想像以上に世界が広がったんですよね。その最中は目の前のことに没頭していて、新しい文化に飲み込まれる経験が毎日新鮮で・・・終わってみて初めて大きくジャンプしている自分の成長に気付きました。そういう「人生における強制的なジャンプ」を作る場所としてU Shareがあって欲しいと思っています。一人一人が飛躍をすれば、その飛躍が連なり、気付いたら日本・世界を動かすほどのムーブメントになっている、そんな世界観を描いています。

“U Share” – 全てはshareすることから始まります。

(テキスト:国本理央奈)


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